スポーツでの痛みと動きのクセ

スポナビブログ廃止に伴い、記事を移動しました。(2013年1月31日投稿)

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こんにちは、今日はスポーツをしていて起こる慢性的な痛みについて書いていきたいと思います。

さて、スポーツ選手・スポーツ愛好家のみなさんの中には慢性の痛みや不調で整体や治療院に通っている方も結構多いのではないのでしょうか?

以前にお話を伺った整体院では「スポーツをやっている小学生が結構来てますよ。」と聞いて驚きました。

私はサッカーをやっていましたが、大学生のときに腰痛・肩こりに悩まされ、月1ぐらいで整体に通っていました。

最初は施術を受けると痛みがなくなっていたのですが、次第に元に戻るまでの期間が短くなりました。その後、いろいろな治療法を試してみましたが結局は痛みに我慢できなくなったら整体に行くということの繰り返しでした。

このような慢性の痛みを抱えていると楽しいはずのスポーツが楽しくなくなるし、パフォーマンスも落ちてきます。さらには健康のためにやっているのに、健康を害してしまうということさえ起こります。

でも、スポーツってそういうものだから仕方がないとあきらめていませんか?

慢性的な痛みの原因は多くの場合、その人の動きのクセにあります。

ここで、痛みを作り出す動きのクセのなかで誰にでも共通なものを一つ挙げてみたいと思います。

人間は脊椎動物です。脊椎動物にとって自然な動きというのは頭と胴体が伸びていきながら動くというものです。

ネコ科の動物などが歩く様子を観察してみて下さい。興味を持ったものに頭が向かい、すぐに残りの胴体、手足?足足?が伸びながら付いていっています。柔らかくてしなやかに見えますね。

一方で、多くの人間に見られる痛みを作り出すクセとは、頭と胴体を圧縮しながら動作を行うというものです。硬くてぎこちない老人の動きや姿勢は長年に渡り圧縮していた結果です。

四足動物は情報収集器官である目、鼻、口、耳の向きと脊椎の伸びていく方向が一致しているので、周りの情報を集め、興味の赴くままに動くと自然な動きが簡単に出来てしまいます。というか圧縮しながら動く方が難しいのではないかと思います。何かを怖がって後ずさりする犬とかがそんな感じですね(笑)。

一方、人間は直立したので、情報収集器官の向きと頭と胴体の伸びていく方向が一致しなくなりました。

例えば、足下にあるボールをよく見てシュートするなどはちょっとトリッキーですよね。

人間は直立したために頭と胴体を圧縮しながら動くというクセを身につけやすくなったのは確かだと思います。

しかし、誰もが圧縮しながら動いているのかというとそんなことはありません。

一流のスポーツ選手は頭と脊椎が伸びる方向に動きながら動作を行っています。

*この動きは外側の骨格筋の動きではなく、頭蓋骨と脊椎の微妙な動きなので見た目にはっきりと分かる動きではありませんが、よく観察していると見えてきます。彼らは意識せずに自然にできてしまっています。

一流選手ほどケガが少ないというのは、彼らの動きが理にかなっているからです。そして、理にかなった動きはしなやかで優雅さ・美しさを感じさせてくれます。

彼らの動きから学ぶことが痛みからの解放への近道です。

人体の構造はみんな同じなので理にかなった動きをすれば誰でも故障は少なくなり、自分の持っている力を最大限引き出すことができるようになります。

さて、この動きを学ぶ際にはちょっとコツがいります。

多くの人がやってしまうのが頭を伸びる方向に“動かそう”とすることです。そうすると、たいてい外側にある大きな骨格筋を使ってしまい動きが硬くなってしまいます。

頭と胴体の内側の微妙な動きを実行するためには、脳の“意図する”という能力を使います。

まずは「頭が繊細に動いて自分全体が付いていく、そして、・・・・を行う」と意図します。そして、動作を行います。(・・・は実行したい動き、例えば歩く、ボールを蹴るなど)

*上記の言葉はこの言葉でなければいけないというものではありません。頭と脊椎、全身を含めた新しい動きを正確にイメージできるものであれば何でもかまいません。

微妙にでも動きが軽くなるということが体験できた人は新しい動きを実行できています。

しかし、ほとんどの人にとっては今までに経験したことがない動作習得の方法なので最初は独力では難しいと思います。できればレッスンで体験してみてください。

(この微妙な感覚を文章で表現するのはとても難しく、一方、読み手にとっては経験したことのない未知の動きなので、過去の経験に照らし合わせて想像することができません。これがアレクサンダー・テクニークを書籍や文章から独力で学ぶことが難しい理由の一つです。)

新しい動き方を習得することで、痛みを生み出していた動きのクセがなくなり、痛みは消えていきます。そして、パフォーマンスも向上します。

クセは一人一人違うので実際のレッスンでは上記の基本に加えて、その人がやっているクセに即した方法も提案して行きますが、ここでは誰にでも応用できる基本的なやり方をご紹介させていただきました。

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