禅とスポーツ

スポナビブログ廃止に伴い、記事を移動しました。(2014年4月16日投稿)

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こんにちは、最近は禅がビジネスパーソンやアスリートに取り入れられて来ているという話を聞きますが、今日は禅とスポーツについて考察をしてみました。

日本では、”心身一如”と言うと宗教?って思われることも多いと思いますが、トップアスリートの世界では禅やヨガなどが結構取り入れられているようです。

例えば、アメリカではNBAのシカゴブルズの黄金時代を率いたフィル・ジャクソンが禅を取り入れていましたし、野球選手が座禅をしているのもシーズンオフのニュースでよく見かけます。又、テニスの『インナーゲーム』という本では動作と意識の在り方の関係性が詳しく書かれています。

日本で宗教的なものが敬遠されるのは、神が外にいて良い行いをすることで天国に行けるというタイプの宗教と、禅のように瞑想で自分自身と向き合うことを重視している宗教とが混同されているからではないかと思います。

スポーツの世界で取り入れられているのはもちろん後者になります。

しかし、これらは日本の文化にすでに組み込まれているものです。

日本には弓道、華道、茶道、合気道など、何かを行う中で自分自身と向き合って、技術の向上と供にある心の状態に至る道を探求する道がたくさんあります。

極めると立ち姿や所作を見ただけで「こやつ、できる!」と分かってしまう世界ですね。

それでは、なぜ、近年アスリートが禅や心の鍛錬を取り入れてきているのかということをアレクサンダー・テクニークの視点から考察してみたいと思います。

”心身一如”というとどれくらいの人が「その通り!」と思われるでしょうか?

「そうだと思うけど、、、」といまいちピンとこないという方の方が多いのではないでしょうか?

実は人間が心身一如であることを表しているメカニズムがあります。

それは、後頭下筋群を介して恐怖反射が体を硬直させるパターンです。

後頭下筋群とは頭蓋骨と脊椎を繋いでいる微細なバランスを司る筋肉群ですが、この筋肉群は心の状態に反応して緊張と弛緩をします。

特に、恐怖を感じたときには固まります。

後頭下筋群が固まると首が固まり、脊椎の動きが制限され、四肢の動きが固まり、全身の動きが悪くなります。

これは、動物が敵に教われて逃げられないときに急所を守る為に首やお腹などを固めて守る反応なのですが、人間にも存在します。

戦国時代、武士が真剣を持って対峙したときに、この反応が起こるとまさに命取りでした。

ですので、武術の鍛錬においては技術があるレベルに達すると心の修練が重要視されていたのだと思います。

そして、そのような世界に生きていた武士のたしなみであるさまざまな技芸においても心の鍛錬が重要視されたのでしょう。

今では、真剣を持って向かい合うということはなくなりましたが、トップアスリート達が繰り広げる勝負の瞬間においては、やはりこの恐怖反応が起きると勝負は決してしまうといっても過言ではないでしょう。

彼らは応援してくれる人達の期待だったり、国のためだったりと、ものすごく大きい物を背負っています。

そのプレッシャーが恐怖の側に振れると、後頭下筋群が緊張し全身のパフォーマンスを制限してしまいます。

ソチのSPで浅田真央ちゃんの腕がいつもより少し縮んで使われているように見えたのは、この反応が起こっていたのだと思います。その後の世界選手権では腕やカラダ全体は本来の長さで伸び伸びと使われていました。

極限のプレッシャー下でもいつも通りのパフォーマンスを発揮できることが勝敗を決する。

その為には後頭下筋群が緊張しないための心の鍛錬が大事である、ということになります。

ちなみに、我々一般人の場合は普段の生活から後頭下筋群を固めている人が多いです。

日常生活での習慣、眼の使い方との関係、トラウマなど固めている理由は様々ですが、そのまま仕事や運動をすると、、、想像はつきますね。

後頭下筋群をユルめて運動ができるようになると、パフォーマンスがアップし、ケガや筋肉痛などの痛みも予防することができるようになります。

西洋生まれのアレクサンダー・テクニークですが、とても東洋的で日本の伝統的な〇〇道のような学びに近いものでもあります。

アスリート、スポーツ愛好家にもぜひ使って頂きたいですね。

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